当院では、多くの患者様からの希望により、2024年6月より採卵時の麻酔を再開しました。麻酔には、採卵で針を刺す部分にあらかじめ麻酔薬を投与する局所麻酔(歯医者等で使用する麻酔)と、点滴から眠くなる薬を投与して、眠った状態で採卵を行う静脈麻酔があります。麻酔には、メリットがありますが、デメリットもあります。局所麻酔は穿刺部の出血、薬によるアレルギー反応、局所麻酔中毒等があります。また、静脈麻酔は、薬によるアレルギー、呼吸抑制、吐き気・嘔吐等が挙げられます。採卵時の苦痛を除去することは重要で、これらの副作用の出現に注意しながら麻酔は行いますが、副作用を100%回避できるわけではありません。当院では、採卵は医師2名体制で行い、一人の医師が厳重に麻酔の管理を行うことで、より安全に麻酔を実施する体制を整えております。しかし、気管支喘息などの呼吸器合併症のある方については、麻酔の危険性が非常に高いため、麻酔科医による管理が必要になります。そのため、そのような合併症をもっている方に関しては、当院での麻酔は実施できないことをご了承ください。