不妊症・不育症の治療方針

仕事や家事とできるだけ両立しやすい診療を目指します

不妊症・不育症治療は、他の婦人科疾患の治療に比べてどうしても時間がかかります。正常に赤ちゃんが授かるご夫婦の間でできた受精卵でも、着床して赤ちゃんに育つ確率は20～30％と推定されています。そのため、たとえご夫婦に適した治療法が選ばれていたとしても、1回の治療で妊娠に至るとは限りません。どうしても反復が必要になります。1回の治療には少なくとも1ヶ月、場合によっては前周期の調整も含めて数ヶ月かかることもあります。長期間を要する治療であるからこそ、患者さんの日常生活（仕事や家事）と治療が少しでも両立しやすくなるよう、心がけております。

患者さんの希望を聞き治療方法を決定します

ご来院いただきましたら、まずお子さまができにくい原因を探り、検査結果が出揃ったところで約1時間のカウンセリングを行います。その後、当院で実施可能ないくつかの治療法を提示させていただきます。不妊治療には唯一絶対の選択肢はなく、どの治療にも利点と欠点があります。ご夫婦で「どの利点を重視し、どの欠点を受け入れるか」を相談して選択していただきます。

自然な治療法から徐々にステップを挙げ、必要に応じ高度生殖医療を行います

いわゆるステップアップ法が不妊治療の基本であることは間違いありません。それぞれの治療ステップが無効と判断された場合、次のステップに移行します。ステップアップ法には、有効な治療法に到達するまでに長期間を要するという欠点があります。治療に要する時間の負担や経済的・肉体的負担のどちらが耐え難いかは、人それぞれです。どのステップから治療を開始するか？それぞれのステップを何回反復するか？ご夫婦の意思を尊重して決定します。