なぜ流産が起こってしまうのか。人間の受精卵は多くが異常を持っており、赤ちゃんになれるのは年齢にもよりますが3~5個に1個です。異常卵のほとんどは着床せず排出されてしまいますが、中には着床してしまう異常卵もあります。着床してしまった異常卵は流産という形で淘汰されます。流産の60%以上は、異常受精卵の偶発的な着床によっておこります。2回の流産は、全く正常な女性であっても経験しうる現象です。2回流産を軽軽した女性でも、3回目の妊娠で生児を得る確率は、流産経験のない女性とほとんど差がありません。しかし、流産しやすい異常が存在する方も見えます。2回の流産ということであれば、流産因子検索は必ずしも必要ではありませんが、希望があれば施行させていただきます。
流産因子検索には限界があり、3回以上流産をされた方でも異常所見を得る確率は少ないものです。すべての原因が特定されるわけではありません。また、異常所見を認めても対応策が確立されていないものも多々あります。
流産の多くは異常卵の偶発的な着床によるものであり、その流産は止めることはできません。また、流産因子が存在する場合でも治療法が未確立の部分も多々あります。“3回目の流産を絶対に避ける”ことは残念ながらできません。