卵管因子

腹膜炎の既往やクラミジア感染や子宮内膜症などにより卵管が通過していない、卵管周囲に癒着がある場合。治療法は卵管の疎通性を改善させる手術療法と体外受精-胚移植があります。
手術療法はご主人の精液所見が比較的良好であることが前提になりますが、年齢が比較的若く自然妊娠や人工授精での妊娠を望みたい方に有効な治療法です。

手術療法

卵管が閉塞や狭窄していると、卵子と精子が出会うことが出来ず、自然妊娠が難しくなります。特に両側の卵管が閉塞していると、体外受精しか選択肢がありませんでした。当院では、卵管鏡という非常に細いカメラを使用して、カテーテルで卵管の閉塞・狭窄部位を広げる手術を行っています。自然妊娠を希望される方はご相談ください。

卵管鏡下卵管形成術(FT)

卵管鏡手術は、まず子宮の入り口に麻酔を行い、青いカテーテルを子宮の中に通します。その後、カメラで確認しながらカテーテルの先を卵管の入り口に移動させ固定します。それから、バルーンという風船を水で膨らませて卵管の閉塞・狭窄部位を広く開通させます。卵管膨大部まで広げたことを確認してから、カメラを抜きながら卵管内の観察を行います。15分~20分で終わる日帰り手術です。

卵管鏡術後の妊娠率は約30%といわれております。しかし、年齢、他の原因、精子の状態等、不妊の原因は多岐に渡るため、FT後一定期間経っても妊娠に至らない場合は、体外受精へのステップアップを考慮します。


FTの費用について

健康保険が適用される手術のため、高額療養費制度の申請を行って頂くことにより、自己負担額を軽減することが可能です。保険が適用される方のFTの自己負担額は、片側を治療する場合で約14万円、両側を治療する場合は約28万円かかりますが、高額療養費制度を利用すると、年収が約400万円~750万円の方の場合の負担額は、片側約8万2000円、両側約8万7000円になります。


体外受精・胚移植

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